フェード講座③ ガード(アタッチメント)

  ガードの関係性

 クリッパーの「#0(ノーガード)オープン」より長いレングスに刈る場合にはガード(アタッチメント)を使用する。

しかし、フェードワークでメインとなる#2(6mm)〜#3(10mm)以下では、ガードの刈り高と濃淡の関係は髪質によって左右されやすい。つまり、同じ刈り高が常に同じ濃淡になるとは限らない

さらに、「0ギャップ」をしていると、ガードを着けた時の刈り高にもズレが生じる。そのため、濃淡をレングスから考えてしまうと、常に一定の濃淡が得られず、作業効率が悪くなってしまう。

クリッパーの刈り高が変わっても、レバーとガードの「関係性」は変わらないため、フェードワークでは実際の長さ(inch、mm)よりレバーとそれぞれガードの関係性を意識することが重要である。

お客様にレングスを伝える際はインチやミリを用いるが、フェードワークではガードのサイズ(#)とレバーの開き具合のみを考えることにより、複雑に見えるフェードワークをシンプルにすることができる。

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ガードの規定はメーカーによって異なるが、Whalのガードシステムを使い、ガードの特徴と関係性を見ていく。ここでは、それぞれのガードのつながりやレバーとガードの関係性を見るためにinchやmmを用いる。

 

ガード(#1~#8)

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 ガードは基本#1から#8まである。#8が1インチ(2.54cm)でそこから⅛インチづつ短くなっていく7つのガードがある。(⅛インチ✕8=1インチ

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レバーが「オープン」の刈り高とその次に長いガードの「クローズ」の刈り高までには多少のギャップがあるが、基本的にはレバーの開閉と#1から#8までのガードを着け替えることで1インチまで切り繋げることができる。

 

 しかし、フェードワーク(#3以下)においては、より細かくグラデーションを入れていく必要があるので、#2(6mm)以下のガード間のギャップを埋めるもの、つまり「#0(ノーガード)オープンから#1クローズまで」と「#1オープンから#2クローズまで」のギャップを埋めるためのガードが必要になる。 

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#½ガード

「#0(ノーガード)オープンから#1クローズまで」のギャップを埋めるためのガード。レバークローズ時の刈り高は、#1の半分である1/16インチ(1.5mm)で、「ノーガードオープン」とほぼ等しい。レバーオープン時は「#1クローズ」とほぼ等しくなる。

 

#1½ガード

「#1オープンから#2クローズまで」のギャップを埋めるためのガード。レバークローズ時の刈り高は、#1と#2の中間の、3/16インチ(4.5mm)であり、「#1のオープン」とほぼ等しい。レバーオープン時は#2クローズとほぼ等しくなる。 

これら2つのガードにより、#2までのガード間の「ギャップ」がすべて埋まる。

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