フェード講座 〜実践編〜

フェードアップ

 フェードワークの際、ラインを上げていくように、下から上に向かってフェードを入れていく方法。レバーを徐々に開き、オープンまでいったら次に長いガードのクローズにつなげていく。フェードの一番長い部分がどこになるかわかっていないと、フェードが上下しすぎてしまうので注意。

 

 

フェードダウン

 フェードアップとは反対にフェードの長い部分からラインを下げていくように、上から下に向かってフェードを入れていく方法である。クローズまでいったら、次に短いガードのオープンにつなげていく。フェードの一番短い部分がどこになるかわかっていないとフェードが上下しすぎてしまうので注意。

 

 

 パネルで考えるフェード

 「フェードアップ」も「フェードダウン」も感覚に頼る部分が大きく、位置が上下しすぎてしまったり、フェードワークの最中「迷子」になりやすい。

フェードをより効率的に、均一なグラデーションにするためには、フェードエリアを、頭を一周する複数の「パネル」に分けて考える。ガードごとのパネルを作り、それらをレバーの開閉を使いぼかしていく。「線をぼかしていく」のではなく、「パネルをぼかしていく」ことを意識する。実際にどのようにパネルを作り、それを馴染ませていくか、「#0フェード」を例にしてみていく。

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ファーストパネル(ノーガード)

1.まずはイニシャルガイドライン(フェードの1番下になる線)を頭一周にいれていく。「#0フェード」なのでトリマー、もしくは「#0クローズ」でフェード全体の高さを考えながらいれる。

※イニシャルガイドラインをトリマーで入れたあとに、そのすぐ下までシェーバーを入れれば「スキンフェード」になる。

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2.そこから0.5~1インチ(1.5~2.5cm)上までを「#0オープン」で刈り上げる。刈り上げた部分がその下より少し濃い帯状になる。これが「パネル」である。

 

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3.「#0オープン」から徐々にレバーを閉めながら、イニシャルガイドラインが消えるまでフェードダウン(もしくはイニシャルガイドラインを上げていくようにフェードアップ)しながらグラデーションをつけていく。イニシャルガイドラインをトリマーで入れた際は、レバーを完全にクローズにした状態でトリマーのラインを消す。

 

※「0ギャップ」をし、クリッパーのクローズの刈り高とトリマーの刈り高がつながるように調整しておく。

 

 



 セカンドパネル(#1)

1.つぎに「#1オープン」でそこから0.5インチから1インチ(1.5~2.5cm)上までを刈り上げる。これが2枚目のパネルになる。

 

2.このパネルをグラデーションさせるために「#1クローズ」で線をぼかすようにいれていく。

 

3.残る線は「#0オープン」から「#1クローズ」までのギャップなので#½ガードを使い完全にぼかす。「#½オープン」は「#1クローズ」とほぼ等しいので、「#½オープン」から徐々にレバーを閉めていき全ての暗い部分や線をブレンドさせる。

 

サードパネル(#2)

1.3枚目のパネルは、トップのレングスにより変わってくるが、#2から#3までで刈り上げて作る。

 

2.#3でパネルを作った場合は、まずは#2でパネルをぼかす。その下に残るラインは、「#1オープン」と「#2クローズ」のギャップからできるものなので、「#1½オープン」(#2クローズとほぼ等しい)から徐々にレバーを閉めていき、暗い部分や線をなくしていく。

 

3.あとはその上をクリッパーオーバーコーム、シザーオーバーコーム、指間切り等でトップに繋げていき、フェードのディテールワークに入っていく。ディテールワークでは、鏡越しにフェードを見たときに暗く見える箇所を修正していく。その箇所がどのパネルのどの位置にあるのかを考えて修正していく。パネルでフェードを考えると、ディテールワークも効率良く行える。

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フェードをパネルで考える際の注意点

  • それぞれのパネルごと仕上がりを確認し、1つのパネルをぼかし終わるまでは次のパネルに進まない
  • #1フェードの場合は、ここから#0のパネルがなくなりパネルが2枚になる。そのためイニシャルガイドライン(#1クローズ)の位置を上げるか1枚のパネルの幅を広げる。しかし、システムは全く同じである。 
  • フェードの高さ(ハイフェード、ミディアムフェード、ローフェード)は、一番上のパネルがハチ下のどこの位置になるかで決めるとよい。
  •  フェードのイニシャルガイドラインより短いレングスから始まるテーパーをもみあげやネープに入れることにより、全体の雰囲気をあまり変えずに、さらにグラデーションを強調することができる。(#1フェード+スキンテーパーなど)
  • 最も大事なことは、自分にあったシステムを見つけ、それを反復することである。これは、フェードワーク後のディテールワークに十分な時間を残すためである。