フェード講座② クリッパー
レバー
クリッパーには2枚のブレードの刃先を近づけたり、離したりするためのレバーがある。このレバーを開閉することによりクリッパーの刈り高を調節することができる。(メーカーによってはダイヤル式のものもある)
オープン
2枚の刃先が最も離れており、刈り高が一番長くなる状態。
クローズ
2枚の刃先が最も近く、刈り高が一番短くなる状態。クローズ時にガード(アタッチメント)をつけた際の刈り高さがガードに書かれている長さと同じになる。(初期設定の刈り高の場合)
ブレード
ブレードの種類
・フェードブレード
横から見ると、頭皮に当たる側のブレードが真っ直ぐなのが特徴。刃先が薄いためノーガード(#0)での、より細かいフェードワークが可能になる。
しかし、刃先を立て過ぎたり、フリッキングをする(手首を素早く手前に返すように振り上げる)と頭皮を傷つけてしまいやすい。フェードブレイドを使用する際は、手首を返さずにブレードを頭皮に沿うように真っ直ぐ上下させる必要がある。そのため、「ラインが残りやすい」、「ぼかすのが難しい」などといったデメリットもある。
・テーパーブレード
横から見ると頭皮にあたる側のブレードがカーブしているのが特徴である。ブレードを頭皮に沿うようにクリッパーを上に動かすと、自然と刃先が頭皮から逃げていくように作られている。そのため頭皮へのあたりが良い。
フェードワークにおいては、刃先の薄いフェードブレードのほうが細かい作業をし易いが、テーパーブレードの方がラインが残りにくく、フェードをぼかすしやすいのでフェードブレードをテーパーブレードに交換する人も多い。
0ギャップ
クリッパーの初期設定の刈り高を、2枚のブレードの刃先をより近づけることによりさらに短くすること。あまりギリギリで刃先同士を近づけてしまうと、肌を切ってしまったり、炎症を引き起こしてしまうので注意が必要である。使用するトリマーの刈り高とクリッパーの「#0(ノーガード)クローズ」の刈り高がつながっているかどうかが重要である。
モーター
マグネティックモーター
電磁力がバネを引っ張る力とその反動を利用したモーター。
長所
- 他のどのモーターよりもブレードスピードが速いため、切れ味がシャープ
- 部品が少ないため安価で壊れにくい
- 音が静か
短所
- トルクが低い(パワーがない)ため、硬い髪や多毛のカットには向かない
- ブレードが熱くなりやすい
代表的なクリッパー
- Wahl Senior(コード付き)
- Andis Master(コード付き)
ピボットモーター
左右2つの電磁力の引き合う力を利用したモーター。
長所
- トルクが高い(パワーがある)ため、硬い髪や多毛のカットに向いている
- ブレードが熱くなりにくい
- 音が静か
短所
- ブレードスピードが遅い
代表的なクリッパー
- Oster Fastfeed Clipper
- Babyliss Pro Steel FX
ロータリーモーター
回転の動きを横方向の動きに変換させるモーター。
長所
- 他のモーターよりトルクが高い(パワーがある)
- 構造がシンプルなため、安価
- 硬い髪や多毛のカットに向いている
- ブレードスピードを変えることができる
短所
- 音が大きい
代表的なクリッパー
- Wahl Cordless Senior
- Andis Master Cordless
- Whal Cordless Magic Clip
クリッパーテクニック
Cモーション(Cムーブ)
クリッパーを頭皮に当て、手首をゆっくり返しながら大きな半円を描くように頭皮から逃がすようにクリッパーを抜く。フェードワークの前の粗刈りなどに使われる。
コーナー
クリッパーの進行方向側のコーナー(角)を使う。フェードワークでは細かい作業が求められるため、ほとんどでコーナーが使われる。耳周りなどの細かい部分にもよく使われる。
クリッパーオーバーコーム
クリッパーを使ったすくい刈り。コームで毛髪をすくい、歯元から出る部分をクリッパーでカットする。パネルやセクションをなじませる際はコームを縦方向にいれ、面を整え、ウエイトをだす際はコームを横方向に入れる。